2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

森見登美彦「熱帯」

その分厚さ故に買ってから1ヶ月ほど読もう読もうと思いつつも躊躇していた森見登美彦「熱帯」をようやく読んだ。 森見登美彦、こんな感じになったか、という感想。もともと四畳半神話大系とかでも不思議な世界観を披露してきたが、(そこから作品がアップデ…

七月大歌舞伎

昼の部を観劇。 市川右團次の「高時」、錦之助と獅童の「西郷と豚姫」、海老蔵の「素襖落」、海老蔵と堀越勸玄の「外郎売」の四幕。 見所はもちろん、外郎売の堀越勸玄くん。 成田屋の芸である外郎売の早口をしっかりと勤めていた。 右團次の高時は歌舞伎ら…

上西充子「呪いの言葉の解きかた」

呪いの言葉とは人を不幸にするために唱えられる呪文のことではない。 そこに人を縛り付け,思考を停止させる言葉のことである。 本書は社会にあふれるそういった言葉を取り上げつつ,それらがいかにナンセンスで意味のないものであるかを指摘していく。 我々…

原武史「「昭和天皇実録」を読む」

昭和天皇実録は20巻もあり,実際にそれをすべてを読むというのは,一般の読者にとっては非常に難しい。 このような形で,天皇制の専門家による解説書が非常にありがたい。 著者の原武史は一貫して昭和天皇に戦争終結を遅らせた責任があるとする。 これは本書…

鈴本演芸場「蔵出し喬太郎作品集〜引き出しの奥のネタ帳〜」

喬太郎が鈴本でトリというので久しぶりに寄席に行ってきた。 過去に演じて、お蔵入りしたネタを改めて高座にかけるというのがテーマ。 さすが喬太郎という感じで、死ぬほど笑わせてくれた。 いきなりの空気の掴み方が凄い。 途中、他の噺家のネタを少し見せ…

映画「たそがれ清兵衛」

Amazonプライムで「たそがれ清兵衛」を観た。 映像の自然さがとても印象的だった。無理に作られた時代劇ではなく、ごく自然に街があり、家があり、人がいる、という感じ。 時折映る山々や川などの本当の自然の風景とも重なり、安心感を覚えた。 田中泯の最後…