上西充子「呪いの言葉の解きかた」

呪いの言葉とは人を不幸にするために唱えられる呪文のことではない。

そこに人を縛り付け,思考を停止させる言葉のことである。

本書は社会にあふれるそういった言葉を取り上げつつ,それらがいかにナンセンスで意味のないものであるかを指摘していく。

我々の生きる社会ではどれだけそのような呪いの言葉が多く,我々自身がその言葉に縛られているのか。それに気が付くことが,呪いから逃れる第一歩であろう。

呪いの言葉によって思考停止し,一方的な考え方に縛られないにするためにも,自分の感じるおかしいことや違和感というものに向き合いながら,自分の言葉で立ち向かっていくという努力をしていくしかないのではないか。

 

本書にて初めて知った言葉に「ケアレス・マン」というものがあった。他人のケアに責任を持つことなど想定外であるような労働者のことらしい。ほとんどの企業はケアレス・マンをベースに経営を行っているだろうが,多様性が求められる現代においては逆にケアレス・マンと逆の立場を想定した経営こそが必要になったくるのだろうし,そういう社会であってほしい。

 

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