映画「最後の忠臣蔵」

Amazonプライム・ビデオで鑑賞。

 

吉良邸討ち入りから16年。討ち入りの直前に姿を消した瀬尾孫左衛門は、大石内蔵助からの密命をおびて、京都で彼の隠し子を育てていた。

 

あとから調べたところ、瀬尾孫左衛門とは実在の人物で、実際になんらかの理由でいなくなったことが知られている。そもそも彼は浅野家の家臣ではなく、大石家の家臣であるため本来は身分的に討ち入りのメンバーの資格はなかったらしい。

そのあたりの不思議さなどが、彼の存在理由やいなくなった理由について想像させてくれるのだろう。

 

本作はとにかく桜庭ななみ可愛らしさと、安田成美の美しさが非常に良い目立っていた。少女らしい桜庭ななみと、妖艶な安田成美の対比もとても良かったし、加えて、自然の美しい映像とともに、人間の美しさがうまくコラボレーションされていた。

途中、キーワード的に出てくる人形浄瑠璃は、人間、自然、そしてその間のものというのを表していたのかもしれない。

 

本作の良さはほういうところに尽きるのかも。

 

ストーリー自体は、最初の30分である程度想像はできたし、育てた子供が嫁いで行くという展開は珍しいものではない。

珍しいものではないが、そういう典型的な物語を丁寧に描かれるとしっかりと感動してしまう。見慣れたストーリーにもかかわず、号泣してしまった。

 

ただ、最後はああいうのも形にせざるを得なかったかもしれないが、ほかになかったのかと思う。自分がいなくなった後の、自分が育てた子どものことを考えるとああいう結論にはたどり着かないのではないだろうか。

 

そういうことに想い至らずに、(至ったとしてもそれよりも)主人の後を追うことを選ぶというのは、結局は自己満足の世界観なのではないか、それが武士道なのだろうかという疑問が残る。