非常に刺激的。
退位が近づくにつれ、ほぼ100%に近い今上天皇と皇后への肯定的な世論に対して、批判的な視線をもってロジカルに評していける論者がどれだけいるだろう。
本書が個人的な宮内庁への「反論」という意味があるというのがあとがきに書かれていたが、なるほど、ここまで徹底的に史料を吟味しながら論を展開していく丁寧さはそういう背景があるのかと感じている。
ほぼ平成しか知らない自分にとって平成の皇室像が作られたもので、次の世代では容易に変わる可能性があるという考えに脳がビリビリした。
それは「おことば」の意向とは異なるだろうという点では、「おことば」は今上天皇の「呪い」のようになるかもしれい。